そのシーズンになるとどうしても食べたくなる食べ物があります。

夏なら冬瓜の煮物、焼きとうもろこし、ラタトゥユ、ヴィシソワーズ…

今でこそ、ヴィシソワーズと聞いてジャガイモの冷たいスープね!と認知度も上がっていますが、私が小学生位の頃にはスープを冷やすなんて、あまり聞いたこともなかったし、ジャガイモの冷たいスープに「ヴィシソワーズ」という名前がついていることも知りませんでした。

小さい頃、月に1度日曜日に父の友人家族と外食をする会がありました。

その月によって中華かフランス料理を食べに行っていた記憶があります。

というより、ほかのお店に行っていたかもしれないのですが、その記憶が強い。

その中でもデパートの上のフレンチレストランの記憶は強く残っていて、可愛らしいワンピースにパチンととめる革靴を履き、白いバスケットの中に刺繍の入ったハンカチを入れて、小さい頃のテッパンのお出掛けルックで外食に行くことは、とても特別な日でした。

私は小学生の頃は今では考えられないほど、少食の偏食だったので、フレンチのフルコースを食べるのは難しくて、いつもスープと前菜にデザート位しか食べていなかった様な気がします。

その中で、器の下からモクモクと煙が出てくる冷たいスープがお気に入りで、あのモクモクしたスープ!の名前がヴィシソワーズという名前でモクモクはドライアイスの演出と知ったのは少し大きくなってからでした。

フランスに留学した時に、ヴィシソワーズとオニオングラタンを食べたい。と思ってカフェやレストランに入ってメニューの中にその名前が載っていないのを見て、実はそんなにそこらで食べるものではないのだ。と知って、がっかりしたのを覚えています。

それでも、夏になるとお店の味を真似して母が作ってくれたヴィシソワーズ、フレンチレストランで酔っ払った父の様子、コースが食べきれなくて残りを9歳上の兄がきれいに食べてくれて、ディスポーザーというあだ名になっていたこと、大人たちの話が長くて飽きてしまってハンカチでバナナを作ったりしていたことなどを思い出します。

私にとって、幸せな記憶を思い出させる食べ物がヴィシソワーズ。

もちろん、悲しい思い出のある食べ物もあるのですが、それは、また、今度。

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