スタイリストになって4年ほど、今年で26歳になる。
22歳でスタイリストになり、その頃からお店と師匠のおかげもあり予約が埋まるスタイリストだった。
デビューから半年、22歳で気付けば3桁のお給料をもらっていた。
四年経った今も変わらない。
美味しいご飯を食べるのも、友達に、後輩に、好きな人にご馳走することも、高い服を買うことも、いい家に住めるようにもなった。
少なからずその生活に慣れてしまった自分がいた。
絶対変わらないと思っていた価値観、大事にしていたものや事がズレた。
変わらない人も沢山いる。
洋服は良いものを買っている時よりも、少ないお金しかなかった時の方が工夫をしていた。オシャレだった。
なにかを我慢していた。
決してお金持ちだとは思わない。
世の中には恐ろしいほどお金持ちがいるもんだ。
ただ、決して裕福でなかった家庭で育った僕からしたら、今の生活は豊かすぎる。
SNS、モノや情報も何もかも携帯一つで手に入ってしまう。
欲しい服があれば買えてしまう。
食べたいものがあったら食べれてしまう。
便利で豊かすぎる環境を知ってしまった僕の心と身体は何か人間的なエネルギーを失っていそうで怖い。
本来の人それぞれ持っているエネルギー。
母子家庭だった僕が中学の頃、バカで私立の単願しかダメだと言われ、隣で悲しんでいた親をみて、勉強を頑張った。夜22時に仕事を終え、帰ってきた母親が作ってくれたオムライスは美味しくすぐに食べ終わった。
今食べる美味しいと言われる食べ物よりも美味しく感じていた。
幸せだった。
塾に通い一生懸命に勉強した。
母親が頑張ってくれていたのを知っていたから。
都立の進学校にも入学した。
母親も親戚も喜んでたなぁ。
その表情が幸せだった。
心が豊かでありたくって、幸せをもっと感じたい。