以前に書いた人とは違う、中学の時の先生と再会した。話し方や字がきれいで、ダジャレをよく言っていて、お茶目な先生だった。私はその先生のことが特別好きだった。
先生のことで1番に思い出すのは、教えてくれていた社会科の授業中のこと。自習の時間だったかなにかで、先生はクラス内のいろんな席に歩いて行って、生徒たちと話していた。私の席に来た時、先生が突然問題を出してきた。それに答えたら、先生は少しびっくりした後に、ニンマリ笑って頭を撫でてくれた。それがあまりにも優しい動作で、口にされなくても私を褒めてくれていることを全身で感じた。
あれから10年以上が経ち、先生は白髪が増えていた。でも、変わらない素敵な笑顔だった。
そんな先生は、私に再会してまず一言「膝はもう大丈夫なの?」と言った。
私は、なんのことか分からずに一瞬固まった。そして思い出した。私は中学生の時、成長期に過度な運動をしていたせいで膝の骨が出てくるオスグッドというものに悩まされていたのだ。テーピングをして過ごしていたので、当時先生はそれを見て心配してくれていたんだった。
それにしても、感動の再会でまず膝のことを聞かれるとは驚いた。私は先生に、オスグッドの女と記憶されていることがとてもおかしかった。
その人のどこに特徴を感じるか、そして何を覚えているのかなんてバラバラだ。先生の一言で、私が気にしている、人からの見られ方なんて、自分ではどうにもできないことなのだと思えた。気が楽になった。
