酔うとたまに話してくれるから、数年の間でもう既に何回か聞いた「姉ちゃんと弟は未だに、〇〇が俺の彼女で一番可愛かったって言いよるよ」と私を少し、自分のものみたいに言う彼の話
彼のものだった
それを覚えている人が私たち以外にもいる
それが嬉しかったし、
それを覚えているのが彼の家族なのも嬉しかった
でもそう言われるたび、
君はどう思っているの、と聞きたかった
どう思っているの?
私が知りたいの、君の話なのに
そう思って聞いていた
私が酔って昔の話をして、今まで付き合った人は今含め4人だというと、彼はなぜかそれを気に入っていた
何も比べず居れる時に出会って、
もう何かと比べざるを得ない歳で再会した
彼が昔の恋の話をしてくれて嬉しかった
終わったこととして話してくれたことが嬉しかった
あの頃心を痛めていたことを、一緒に話せて嬉しかった
私も素直に話した
彼と居るとき素直になれるようになって嬉しかった
こういう自分に、ずっとなりたかった
すごい一週間だった
小さい頃、人にもらった手紙を可愛い箱に入れていたみたいに、彼と彼に関した記憶や感情を全部自分の箱に丁寧にとっておいてしまうのが習慣で、多分きっとこの日々もそこに入る
いつか私がまた一人で泣く日にこういう日々が支えになってくれますように
こんなに良いことがあったから、もう大丈夫って思える日
大丈夫は、どっちの大丈夫?
知りたい、という感情を剥き出しにされるのは久々で、君の前ではいつでも女だ、と思った