これまでにどれだけ心が崩れるのを感じてきたか覚えてもいないくらいに沢山あった、窮屈で狭い暗い場所でどれだけ泣いていたかわからないけど、今現在それでも呼吸して 誰かの痛みに触れて生きていることに不思議を感じる事も少なくはないです。


自分の中に確かにあるこの剥がすことの出来ない感情をがむしゃらに引っ掻いたり、傷つけたりしてきたけれど、なにも変わらないことにある種の諦めはあったとは思います。自分の痛みに対して少しづつですが麻痺みたいな状況が訪れていた17歳を過ぎた僕が居ました。


この時期からのお話は今までの暗いものや、吐き出せなかったものが、新しい形になっていく事になるお話になります。人生の何個かある内の確かな一つ目だった一日になります。過去のどんな辛い日よりも どんな悲しみに暮れた夜よりも涙を流した日になった、そんな大切な大切な一日です。


初めてのバイト先での月日も1年ほど経ち、慣れない環境で働きながらもやはり他人に対する気持ちや思いはこれっぽっちも変化することなく日々の中にあるモヤモヤに混ざり合っていくだけでした。誰にも見せないものを大事に抱えて毎日を過ぎ去っていきました。


そんなある日、他の店舗からヘルプという形で一人のバイトが自分のいる店舗に来てくれていました。何気ない毎日 味気ない人達の中に一人だけ何食わぬ表情で当たり前の様に、どこか余裕さえ感じるほどの空気感で働いていた女のコが居ました。僕はいつも通りに自分の中で割り振って、自分とは明らかに対称にいる存在な人間だなと感じました。彼女からは圧倒的な光のような印象を受けました。ただひたすらに人間として眩しい そんな女のコでした。


いつもの様に形通りの会話があって、上辺だけのやり取りが起きて、興味のない話でなんとなく時間が過ぎていくと思っていました。それが普通で過ごしていたのだから当然の考えでくだらない日常で終わっていくのを待っていました。昼休憩時に普段と変わらず誰とも挨拶も会話を交わす事なく休憩場所に行くと彼女は先に座っていて、自然と目を合わせることになった瞬間、[一緒にご飯食べよっ]と声をかけてきました。はっきり言えるのは完全に思考の外側から飛んできた言葉とその意味になにも言えなかった自分がいました。目も顔も合わせていながら言葉も聞いてるはずの僕が答えないまま立っているのも構わず隣のイスをゆっくり引いて招いてくれました。今考えて見てもあの一瞬の出来事は記憶にある中で断トツで呆然とした時間でした。

そんな中会話もしないし答えもしていない僕に向かって、用意された食事を口に含みながら言葉を休むことなく僕に浴びせ続けていました。今起きていることに理解が追いついていなかった僕の表情も感じ取れている様でしたが、言葉は止まることなく続いていきました。なにを話すでもなく本当に味気ない僕に、誰とも会話をしていないはずの、一番声をかけづらいはずの人間に『普通の会話』をくれたんです。どれだけの時間どれだけの年数が経ったかなんてその時は思い出す事もしていなかったですが、何かが空いた様な感覚に陥り 普通に彼女と会話出来ている自分がいました。この今までに誰もくれなかった『普通』をこんなにも心に土足であがってきて、なんの見返りもないのに僕にくれたんです。存在なんてしないと思っていたはずの『普通』という感覚を知ることになった一瞬でした。


この一日を境に生きていた世界が、今よりも

もっともっと窮屈じゃないことを知りました。

産まれてきて初めて僕はこの世界に居てもいいんだって思えた そんな大切な大切な一日でした。

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