コーヒーを初めて飲んだのはいつだっただろうか。

今ではほぼ毎日飲まないと落ち着かなくなったコーヒーも、最初に口にしたのがいつなのかははっきりと覚えてない。

ただ、初めて美味しいと感じたコーヒーだけは鮮明に覚えている。

小学生から高校生の頃、ほぼ毎週土曜日に地元にある天文台に星を観に通っていた。

その天文台は、小学校の先生や博物館の職員の方など、星好きの大人たちがボランティアで開けてくれているようなところだった。

僕は小学校3年生の頃、両親に連れられて初めてその天文台へ行った。

それまで肉眼でしか見たことがなかった小さな星が、望遠鏡を覗くと輪っかがある星で、それは土星という惑星なのだと、先生が教えてくれた。

そんな体験をしてしまえば当然ハマってしまうのが好奇心旺盛だった当時の僕で、毎週通うようになった。お客さんは毎週ほとんど僕(と両親)だけ。天文台には先生と(両親と)、子供は僕だけ。そんな状況だったので、みんなすごく良く面倒を見てくれた。それは結局高校卒業まで続いたように思う。

中学生になって2年がたったある日の曇天の天文台で、晴れ間を待っている間に先生がコーヒーを淹れてくれた。

正直それまでコーヒーを美味しいと思ったことはなく、こんな苦い飲み物が美味しいと思うようになってしまうってことは、大人になると味覚がおかしくなってしまうんだと信じてさえいた。

でも「コーヒー飲める?」と聞かれたとき、そこにいた先生たちにすっかり馴染んでいた僕は、味覚の面でも周りに馴染みたくて背伸びをして「飲めます」と答えた。

先生がミルで豆を挽いて、ハンドドリップで淹れてくれたコーヒーはブラック。

その時のコーヒーの甘く良い香りは、はっきりと覚えている。

そしてその香りに惹かれるように、でも恐る恐る口を近づけてみると、まるで今まで当たり前に飲んでいた飲み物のように不思議とすんなり飲むことができた。美味しいとさえ感じた。


あの時なぜあのコーヒーを飲むことができたのかはわからない。

単に豆が良かったのか、先生の淹れ方が良かったのか、大人に囲まれたシチュエーションで味覚がおかしくなってしまったのか。


あの日を境に僕は完璧なコーヒー党になった。

今でもコーヒーを飲むときはブラックで。

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