
ビューティECでラグジュアリーブランドも生き残れるのか
実店舗の閉店が相次ぎ、さらに新型コロナ禍によって、今後はECの存在がますます重要になることは言うまでもない。しかし、ラグジュアリー・プレステージビューティは製品同様に、販売員による接客をはじめとするラグジュアリーなサービスも求められる。丁寧なカウンセリングや店頭での体験など、デジタルで同様のサービスを提供することは可能なのかーー。そんな中、先日「ディオール(DIOR)」がパルファムの3Dオンラインブティックをオープンした。シャンゼリゼ通りの店舗をオンライン上で再現したもので、バーチャルに店内を歩き回ることができ、購入はECサイトに飛ぶ仕組みだ。人による接客には程遠いが、ECでも店頭同様の体験を提供することは、一つヒントになるかもしれない。また、最近は美容部員と1対1で話せるオンラインカウンセリングを導入するところも増えているが、デジタルネイティブではない高齢者層への対応など、課題は多く残る。
毎年恒例の「メットガラ」は、メトロポリタン美術館の衣装研究所(Costume Institute)の主要な資金源であるとともに、数多くのセレブリティーが華やかなレッドカーペットファッションを披露することから、世界中のメディアが取り上げる一大イベント。3月には無期限延期とし、開催を目指していた。
現在一時閉鎖中の同美術館は、ニューヨーク市の経済再開に向けた段階的な計画に従って、8月中旬かその後数週間以内には開館を目指している。その際には開館時間の短縮の可能性もある。また再開時には、美術館の歴史を総括する展覧会「Making the Met: 1870-2020」の開催を計画。そのため、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」がスポンサーを務める展覧会「時間について:ファッションと持続(About Time: Fashion and Duration)」は10月29日の開幕になる。「メットガラ」やその他のイベントは21年に開催を予定し、その中には本来今年行われるはずだった開館150周年の祝賀イベントも含まれる。