
今までは夫婦ふたりきり、自分の好きなときに好きなことができました。
行きたいところへ行って、見たいもの、食べたいもの、自由だったなあと今になって思います。
赤ちゃんが生まれて、生活は360°変わりました。
ゆっくり座ってご飯が食べられない、お風呂も湯船にゆっくり浸かる時間なんてない、気になるお店もなかなか行けない。
買うものは自分の洋服や化粧品から、娘のための肌着やオムツに。
見るものは、ファッション雑誌から、離乳食の本や子育ての本に。
ヒールのある靴はすべてしまって、スニーカーやぺたんこ靴で、ひらひらスカートをやめて動きやすいパンツ。
出かける時も、赤ちゃんを連れて行っても大丈夫か事前に調べて、短時間で済ませるようになりました。
ああ、あれもこれもできない、時間がない、ゆっくり休めない、そんな毎日で。
ふと鏡を見たときに、ぼさぼさ頭でちゃんとしたお化粧もしていない自分を見て、はあ、とため息。
でも、どんなに自分のことは後回しになっても、我が子のためなら頑張れるんです。
なぜかって、だいすきだから。
何にも変えられない、宝物だから。
赤ちゃんでいてくれる期間って、本当にあっという間だと思うんです。
1年たったら、もうひとりで歩くんだから。
そのうち、ぱたぱた走れるようになって、おしゃべりも上手になって。
おともだちができて、お母さんのいない場所でも過ごせるようになって。
だっこ と おっぱいがだいすきで、お母さんどこ?って泣いちゃうのも、きっと懐かしくなるんだろうな。
バタバタな毎日で、つい忘れてしまいそうになるけれど、変わってしまった生活や鏡にうつった自分にため息、じゃなくて、今しかない赤ちゃんのいる暮らしを、大変なことも全部ひっくるめて楽しんじゃえたら素敵だなあと思います。
汚れてもいいから好きな服を着て、行きたいところもちょこっと付き合ってもらったら、それ以上にたくさんたくさん遊んで、だっこして。
自分のことも大切にしてあげよう。
赤ちゃんにとっていちばん大切なのはお母さんがいつも笑顔でいてくれることだから。
うまくいかないこともあるし、悩みもたくさんあるけれど、こんなにも一生懸命に悩んで悩んで、誰かのために生きるって、案外悪くないなぁなんて思えてきました。