最近は眠る前の、ストレスやパニック障害による頭痛と吐き気が酷くなるとき、なんとか気を紛らわせよう、落ち着こうと、クラシックギターを聴くようになった。一年前に読了し今年映画化もされた「マチネの終わりに」。読みながら頭の中で鳴り続けた"無伴奏チェロ組曲 第3時 BWV 1009より プレリュード"という曲。この曲を聴き、今自分が「誰もいない私立図書館で一人きりでいること」「屋久島の樹木の根本に横たわっていること」「西ヨーロッパの下町アパートに干してある洗濯物たちを眺めていること」を想像する。するとしばらくして強い頭痛と吐き気は失せていき、お気に入りのフレグランスを部屋にひとふきしてから、ゆっくりと眠りにつくことができる。


想像ではなくて実際にそれを"体験"することを、自然と精神が求めているのだろうか。私はこの想像/妄想が癖になっていて少し怖い。そしてこの想像/妄想と共に鳴るクラシックギターの音が消えることも。だから眠る寸前に消した音が、当然朝には鳴っていないことを知ると、思わず泣いてしまう。


私は永遠に、マチネの終わりを恐れているのかもしれない。

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