授業であるビデオをみた。AIについてだった。

中国の大きな会社が手がける配車サービス。利用者がアプリで車を呼ぶと、一番近くにいる車をマッチングさせ、5分くらいで利用者の元に到着するらしい。便利。利用者もめちゃくちゃいるという。

 画面にはその会社の”心臓部”と呼ばれる、薄暗い部屋が映し出された。壁一杯のスクリーンは都市の地図が投影され、走り回る車が光の点となって毛細血管のように張り巡らされた線の上をうごめいていた。世界1000都市もの交通情報を把握しているらしい。その範囲を電車やバスの公共交通機関にまで広げれば、信号やらを操作して渋滞を緩和させることもできるという。”限りなく効率的な社会”を目指す、だって。なんだか怖いと思った。


 昔読んだあさのあつこの本に『No. 6(ナンバーシックス)』というのがある(アニメ版もあり)。記憶をたどるのでここからは正確ではないけど想像して欲しい。



No. 6とは、

同心円状の理想都市で、”心臓部”のビル?タワー?を中心に街は広がっている。

高い壁によって外とは隔離されている。(イメージで言うと空に浮かんでいないラピュタのような)

都市内の人間には快適な暮らしが保証されている。ICチップだかを持たされ、徹底的に管理される(部屋の気温さえも)。



 子どもだった私は、No. 6の便利を追求しすぎる怖さを感じながらも、どこか別の、遠い未来の話だと感じた。しかし実際今の社会、No. 6と同じようなものではないか。

 人間は限りなく便利を追求する。なんだってAIで管理しようとする。


 No. 6の壁の外にはスラム街のような貧しい街が広がる。誰もが快適に暮らすNo. 6の恩恵を受けることなく、むしろNo. 6から流れるゴミや廃棄物の中で全く別の生活をする人々が、そこには存在するのだった。高くそびえ立つ理想都市を遠く眺め、恨み、嫌い、おこぼれを漁るのだった。


 人間は限りなく便利を追求する。しかし、”壁の外”を考えているだろうか。なんでも快適にしようと一生懸命になっているけれど、地球にはそんなのとは無縁の場所で暮らす人や、争いの中で生きる人もいる。地球温暖化の影響を真っ先に受けるのは、悪いことを何もしていない北極圏の人々だ、ということも聞いたことがある。

 

 気付いたら、もうすでに私の住む世界は”壁の内側”になっていた。シールドの中に閉じ込められたような、逃げ出せないような、そんな怖さを感じた。

 

 何より一番怖くて嫌なのは、自分がすでに立派な”壁の内側”の人間であることだ。マップアプリなしでは目的地に行けないし、ネットではおすすめの商品を教えられる。今日もコンビニで買い物をした。その情報は今後の戦略に生かされるんだろう。




 けどやはり、便利に目をくらませるだけの人間にはなりたくない。

単なる”壁の内側”の人間にはなりたくない。


どうしようか。

水たまりをひとつ飛びこえて

このブロガーの新着記事

オフィシャルブロガーの新着記事

cable knit OP

MiMi

2019年11月19日

balloon knit TOPS

MiMi

2019年11月19日

ootd

Mai

2019年11月18日

ootd

Mai

2019年11月17日

MOUSSY

Mai

2019年11月16日

ootd

Mai

2019年11月16日

ニットとコートと服話

shi.

2019年11月16日

すべての新着記事