
雨上がりは雲が割れていつもパキッとした色濃い青空が広がる。
高い山々は緑を煌めかせて光を反射してる。
信州に暮らしはじめたさいしょの1年は夕陽が見れないことに虚しさを感じた。わたしのそれまで住んでいたアパートは海から徒歩5分、大きな夕陽が海に沈むまで味わえたからだ。
日によって夕陽はオレンジにも紅にもピンクにもなる。水平線に吸い込まれるように夕陽が沈んで少し辺りが静けさを纏う。
信州は太陽が夕陽に変わる前に山に沈む。そのあと綺麗な夕焼けが空を覆う。雲に夕焼けがペインティングしてるように毎日違う発色をする。住んでから数年してからだと思う、ここの夕焼けをすきになったの。
先日あさひとあがたの森公園へ行った。公園には旧制松本高校の淡いパステルグリーンの校舎がある。あさひと手を繋いで駐車場に停めた車から歩くと校舎からコーラスが聴こえてきた。
野に咲く花のように だった。
中学生の時は心に留まらなくても大人になってから留まる歌もある。
大きな並木の真ん中を風が吹き抜けて気持ちいい日だった。
