
悲しみが、甘い涙に変わるまで。
愛する人の愛する人に出会った時
わたしだったらどんな感情を持つんだろう。
自分に向けられることの無かった種類の感情を
他人が受けていた現実を目の当たりにした時
そのベクトルとタイミングがすれ違っていた
としても、あの主人公のように行き場のない感情や
憎しみを昇華しようと試みることができるだろうか。
生まれ育った国の宗教的な決まり事や信仰心
それに抗おうとするも不可能な現実。
家族のかたちってそれぞれに違うし
どこか歪んで欠けていて傾いて。
それでも
確かにそこには
愛があって。
彼と彼女の決意が、苦しく、切なく、
人間的な不器用さ秘めていて
なんとも心が締めつけられる作品でした。