24時36分
「今日はもう帰らなきゃ」
絡めた手をゆっくり離して電車に乗る
キスをしたそうに見つめる君に
わざと気付かないフリをしてみる
チョコレートが溶ける体温
君に触れられたところがあつい
アレキサンダーを飲んだあとのキスは甘い
帰したくないとか相変わらず甘ったるいことをいう
彼の腕のなかから逃れる
現実の見たくない部分の話をしてこない
彼との時間は夢物語のようだ
クリスマスに向けて街も男も女も
どこか落ち着かない
一方的な好きだけではどうにもならない
セフレも不倫も幸せにはなれない
存在できないのだ
そういうあれやこれも全部
赤と緑の眩しいライトのなかに
溶かしちゃえばいい
