最近よく自分の手を見つめる
朝は、手のひらを揉みながら今日も頑張ろう。
リセットしたい昼は、手をよく洗う。
夜は、今日はお疲れ様。
身体に似合わず、細く薄く、大きな手。
私の手を握ったことのある人には、私の手はどんな風に感じるんだろう。
私には忘れることのない手の人が2人いるんです。
1人は中学生の頃、毎日手を繋いで帰っていたまゆちゃんという友人の手。
彼女の手も細く長く、薄いのだけど大きくはない。
彼女の物を掴む所作すらもいつも品よく見えた。
今でも、彼女の手を忘れることはない。
もう1人は、昔付き合っていた恋人の手。
大きなその手はいつも乾いていて、甲も大きくて関節のすこし出た長い指をしていた。
手も指も、手入れをするような男性でもないのに、とてもきれいな指で、サラリというのかカサッとした手の感触は彼自身を表しているようだった。
今でも、彼の手を忘れることはない。
長い月日が経ち、手は生き様を表すように、
今は私が覚えている手をはるかにこえて、深いシワをうちながら、優しさをおびているのかもしれない。
自分の手を揉みながらいつもそんなことを考える。
私自身もそうありたいなと思いながらね。
丁寧にクリームを塗りこむ。
